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フランツ・カフカ

フランツ・カフカの手紙 選

 

僕の書くものに価値がないとしたら、それはつまり、この僕がまるで無価値だということだ。 _

 

 

つい今しがたまで詩人が二時間ここにいて、あれこれ問いかけて、やっと涙ながらに出ていった。たぶん、不幸なんだろう。泣くのが最良なのだろう。 _

 

 

誰かがあなたを非難するときは、わたしの感謝の気持ちで帳消しにしてください。 _ 

 

 

ぼくと知り合って以来、ついぞなかったほど調子が悪いんだね。苦しんでいる上に、こんなにも離れている。まるでぼくがきみの部屋にいるのに、きみにはぼくがわからず、ぼくはあてもなくベッドと窓のあいだを行ったり来たりしているみたいだ。 _

 

 

ぼくは汚れている。途方もなく汚れている。だからこんな清浄な叫びを上げるのだ。 _

 

 

あのときからきみにたえず一つの歌を歌っている。いつもべつの歌なのに。いつも同じ歌、夢を見ない眠りのように豊かで、退屈で、うんざりさせ、おかげで当の自分がおりおり眠りこむ。 _