中原中也

中原中也 名言「芸術編 Ⅰ 」

中原中也

詩人の中原中也は、詩の他に、随筆や、友人らに宛てた手紙、詩のことについて綴った日記などの散文も数多く残しています。

中也は、三十年というその短い人生で、弟や最愛の息子との死別、また支えだった恋人を友人に奪われるなど、様々な苦悩も経験してきました。

その苦悩や悔しさも綴られた手紙や日記、随筆などには、素晴らしい「名言」も多くあるのですが、詩以外の部分はあまり知られていません。

そこで、中原中也の詩以外の文章から、それぞれのテーマをもとに「名言」を紹介していきたいと思います。

第一回目のテーマは「芸術」です(詩や芸術について中也は膨大に言葉を残しているので、シリーズとして続くと思います)。

 

中原中也の名言「芸術編 Ⅰ 」

 

「これが手だ」と、「手」という名辞を口にする前に感じている手、その手が深く感じられていればよい。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

人がもし無限に面白かったら笑う暇はない。面白さが、ひとまず限界に達するので人は笑うのだ。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

美とは宿命である。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

君の挨拶が滑稽だといって笑われるがよい。そんなときはただ赤面していればよい。その赤面を回避しようとするや、君は君の芸術を絞めにかかっているのだ。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

芸術とは、物と物との比較以前の世界内のことだ。笑いが生ずる以前の興味だ。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

芸術家たる芸術家が、芸術作用を営みつつある時間内にある限りにおいて、芸術家は他(ひと)に敵対的ではなく、天使に近い。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

本の表題だけで、大体その本が分からないくらいなら、芸術なぞやらぬがまあよい。(もっとも、表題の付け方の拙い本は別の話だ)。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

根本的にはただ一つの態度しかない。すなわち作者が「面白いから面白い」ことを如実に現したいという態度である。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

芸術作品というものは、断じて人と合議の上で出来るものではない。社会と合議の上で出来るものでもない。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

芸術というものは、幾度もいう通り名辞以前の現識領域の、豊富性に依拠する。すなわちそれは人為的に増減できるものではない。かくて、芸術家は宿命的悲劇にさらされている。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

一切は、不定だ。不定で在り方は、一定だ。

中原中也「芸術論覚え書」より

 

 

芸術家よ、君が君の興味以外のことに煩わされざらんことを。

中原中也「芸術論覚え書」より

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